Taros’s diary

学級通信のねたの参考にしてもらえば思います。

教員が言葉遣いを気を付ける本当の理由

今回のテーマは、「言葉遣い」です。

 

 教員のみなさん、言葉遣いをどれだけ意識して授業や生徒と話をしていますか?

 そもそもなぜ、言葉遣いに気をつけて話さないといけないのでしょうか?言葉の暴力、つまりは体罰になるからですか?人を傷つけるからですか?どれも正解ですが、教育者としての心構えや考えとしては、いささか正解から遠ざかります。

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その汚い言葉遣い保護者や上司に使いますか?

 私が考える「言葉遣いを気を付ける本当の理由」は、

 

 生徒に学びのチャンスを与えるため

 

 と結論づけています。

 

 では、言葉遣いを気を付けるだけで、なぜ生徒の学びのチャンスになるのでしょうか?それを解説していきます。

 

 

 重要な理由として言葉遣いが悪いと、「上下の関係」をつくってしまうからです。

 

 おそらく、教員なのだから生徒より偉いだろ、何言っているんだ?と想った方がいるならとても残念に思います。その方は、ここから先の文章を読んでも理解ができないと思いますので、このページを閉じることをおすすめします。

 

 すみません、話が逸れました。本題です。

 もし、生徒に対して「お前」という言葉を使っているなら、今日から、その言葉を使わないよう意識し、生徒の名前を呼ぶ練習(さんづけ)を今この場からすべきです。また、「あなた、や、みなさん」という言葉使えるようにもしておくべきです。

 

 この「お前」という言葉は、暗に自分は上、相手は下という風に見ていますし、相手もそういう風に認識してしまう言葉になります。つまり、上下の関係が出来上がってしまった時点で、生徒は自分で考えることを止め、学びの機会を失ってしますのです。

 

 それもそのはずです。人間は、生物は自分より上の人に対して従うようになっていますし、学校という閉鎖的な空間であれば、尚更そうなってしまいます。だから、生徒はどんな行動や考えも注意されるから、従って怒られないようにしよう、としか思わなくなってしまうのです。結果的に学びのチャンスを失ってしまうのです。

 

 教員が勘違いしていることとして、「生徒を自分達の言うことを聞くように従わせる」と思っている方がいます。立ちが悪いのは、従わせることが上手い人ほど、指導力があると、思い込んでしまうことです。飛んだ勘違いです。そんなのは指導力でもなんでもなく、サーカスの猛獣を支配し芸をさせるだけの1つの術に過ぎないのです。

 

 言葉遣い一つ気をつけるだけで、生徒は安心しますし、この先生ならしっかり話を聞いてくると想い、自分の考えや失敗してしまった原因を正直に話します。

 それは、生徒自信が自分のことを一人の人間として、対等に接してくれていることを理解してくれるからです。だから、勇気をもって自分の失敗を認め話をしてくれるのです。

 

 だから、生徒の名前を呼ぶときは「お前」ではなく、「〇〇さん」という風に呼ばなければならないのです。そうすることで、私達は生徒達に多くの学びのチャンスを与えていくことができるのです。生徒もそうやって立派な人間に成長していくのです。

 

 今日から、すぐに実践できる一番なアクションプランなので、今この瞬間から取り掛かってほしいです。

 

 

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後輩にこそ気を使わなければならない

余談

 みなさんは目上の方や保護者の方と話すときは、どのような言葉遣いですか?そういった方々に、「お前やてめえ」という言葉を使いますか?使わないですよね。では、生徒なら許されるのでしょうか?大きな勘違いです。許されませんね。

 

 人によって言葉遣いを変えることは、自分自身が人間関係を「上か下か」で判断しているのです。その思考で本当に人間を育てることができますか?できませんね。この言葉遣いも、人によって態度を変える1つの要素になってきます。こんなことをしていたら、生徒を1人の立派な人間へと成長させることはできません。

 

 だから、言葉遣いを気をつけなければならないのです。

 

 

 ここからは生徒とは関係がなくなります。職場でも上下関係がありますが、ポイントは同僚や後輩に、どのような言葉遣いで接していますか?言葉遣いを気をつけて話をしていますか?

 

 そこまでする必要はないだろ、と思った方もおられると思いますが、実は職場内でも気をつける必要があります。特に、同僚や後輩は尚更です。ここでも上下関係ができてしまうと、後輩なんかは従うだけになり自分で考えなくなる可能性が出てきます。また同僚であっても職場内では、言葉遣いに気を付けるべきです。細かな配慮ができるかは、教員としての力量にもなってきますし、どんな人でも丁寧に接することをしていれば、自然と周りから信頼されるようになってくるからです。

 

 ただ、同僚であれば飲み会や同僚だけの場など、職場から離れたところであれば、そこまで気にする必要はないと個人的には思っています。

 

 私は、後輩であっても言葉遣いに気をつけて話すようにしています。敬語も使いますし、謙った態度で接するように心がけています。機嫌も悪いようには見せず、なるべく話かけても良い雰囲気をつくるようにしています。むしろ、後輩と接する時の方が神経を使っているぐらいです。

 

 後輩は先輩を選べないわけですし、圧倒的に不利な立場にいますので、こちらが気を使うのは当たり前ですし、そのような態度を示しておかないと、後々その人が先輩となった時に、尊敬される教員にはなれません。だからこそ、後輩と接する時の態度の方が重要だと私は考えています。

 

 もう一つの理由として、こちらが先輩に対してとても丁寧に接し、後輩に対してはガサツな態度(言葉遣い)で接したら、すごくみっともないと思いませんか?それこそ、人を上か下かで判断している人間になってしまいますので、ものすごくしょうもなく思えてしまい、個人的には嫌っています。

 

 私達は、まず人間であり、教員なのです。教える立場の人間が、成長しなければ、とてもではないですが教育なんてできません。その一歩として言葉遣いを気をつけていく必要があるのです。