Taros’s diary

学級通信のねたの参考にしてもらえば思います。

教員になる前にしておきたいこと

 初任者教員になる前に是非ともしておいてほしいことがあります。

それは、「様々な体験をしておくこと」です。

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新しいことをすることは「不安な気持ち」を知ることにつながる

 これは、教員生活が長い人、なりたての人、特に限定はないのですが、今回は教員採用試験も終わりましたので、どんな結果になろうともやっておくべきこととして取り上げました。

 

 今はインターネットで調べると様々な「体験」ができます。お金がかかるものもあるのですが、長期的に考えると自己投資と捉えても良いと、個人的に想っています。

 

 一番この「様々な体験をする」こととして重要なのが、

「わからないことに挑戦してみることには不安が伴う」

ということを理解してほしいのです。

 

 教員生活が長くなると感覚や経験から、仕事をこなせるようになったり、人の立場に立ってものごとを捉えることができなくなってきます(やろうとしないこともあります)。教員の世界では、「知って当たり前」や「その学校のルールが常識」みたいな風潮があります。正直、末恐ろしいです。

 

 教える側の立場の人間が、「知ってて当たり前」や「常識だから」などの先入観をもってしまうことは、極めて危険です。私達はまず、「人の立場に立つこと」から始めなければなりません。でないと、指導力なんて向上しません。また、「常識」が通じると想ってもいけません。常に、「相手は知らなくて当たり前だし理解できなくて当然」このようなスタンスでいないと、これもまた指導に手を焼くことになるでしょう。

 

 誤解を避けてほしいことは、「相手は知らない」や「常識が通じない」を、言い訳にしてはいけないことです。それらを念頭に入れ、「どうやったら相手に伝わるのか」や「相手の理解を深める良い説明や例はないか?」など、自問自答しながら相手のことを考えてほしいのです。

 

 この説明で必ず相手に通じる、通じない人は理解力や経験が不足している、という風に初めから開き直ることも良くありません。何回も何回も手を焼いていき、常に相手に伝わる指導を考えていくことが重要なのです。もし、それでも最後の最後まで通じなければ、それはもう仕方がないことです。大事なのは、あきらめずに指導にあたって上げることなのですから。

 

 話が遠回りしてしまいましたが、

「相手の立場に立つことを知る」一番方法が

「自分自身が新しい体験をすること」なのです。

 

 ただ、体験を受けても意味がありません。

「自分だったら、こう説明するな。」とか「こうしてくれれば不安がなくなるな。」など、生徒目線に立ちながら考えていくようにするのです。

 

 本当の意味で指導力が高い教員がいます。まさに上記のことをしているからだと私は考えます。相手に納得してもらう。相手を成長させるためには、「相手の立場に立ってものごとを考える」能力が必要不可欠なのです。

 

 悲しいことに、まだ現場には威圧的な指導をし、生徒が納得しないと、その生徒の理解力がないや問題傾向のある生徒とレッテルが貼られます。また、その怖さで服従させているに過ぎないのに、「自分には指導力がある」と変な勘違いをし、自分を立派な教員だと思い込んでいる人も中にはいます。

 

 この相手の立場に立つ考えができれば正直、授業だろうと、生徒指導だろうと、怖いものがなくなります。それは、「人間を育てている」からです。生徒が人間に成長しているということは、それだけあなたとその生徒の信頼関係ができている証拠なのですから。

 

 私は、初任だろうと、中堅だろうと、ベテランだろうと、非常勤講師だろうと、生徒を一人前の人間に育てることが、この仕事のプロとして行うべきことであり、魅力だと捉えています。だから、これから教員を目指している人達には是非、日本を誇れる一人前の教員になってほしいと心から想っています。

 

 我々が一人前でなければ、「生徒は一人前に育ちません。」人を育てるプロとして、胸を張れる教員を目指していただければ幸いです。